今週は信徒執筆です

結婚式

大澤 信之    

 長女が結婚した。妻のお腹にいる時から由木教会の礼拝で育った長女は、 小枝牧師に司式していただき、多くの友人、家族、親族に囲まれ、一生忘れない、 よき結婚式の時を持つ事が出来たと思う。

 結婚式に臨むと、いつも人と人の結び合いを考える。一人と一人がどのように出会い、 愛をはぐくんできたのかと思いを巡らす。愛がなによりも大切だと思わされる。 家族を大切にしているかと問われる事もある。

 結婚式に参加させて頂いて色紙にメッセージを残すような場合があると、 必ず書く言葉がある。ボンヘッファーというドイツの牧師の言葉だ。 全部を引用する場合も、一部だけの場合もある。

「どの結婚式にも、このように偉大なことを人間はなすことができるという喜び、 また人生を操ることのできる計り知れない自由と力が与えられている事を喜ぶ 喜びの声が響きわたっていなければなりません。 新郎と新婦の幸福に中には、自分自身の祝宴の食事を囲む事が許されているという 地上の子の正当な誇りがなければなりません。・・・
神があなた方の結婚を導き給います。
結婚というのは、あなた方相互の愛以上のものです。 結婚があなた方を神と人との前に一対の夫婦とするのであって、 決して愛がそうするのではありません。・・・
神が人間より高く、より神聖であるように、結婚の権利とその約束とは、 愛の聖さや権利や約束よりもはるかに高いのです。 あなた方の愛が結婚を支えるのではなく、 今からは、結婚があなた方の愛を支えるのです。」
(「抵抗と信従」獄中からの結婚式のための説教より)

 結婚式の初めに、新郎の所まで、長女の手を取ってバージンロードを歩みながら、 私と妻の結婚式を思い出していた。 義父が新婦(妻)の手を取って私が待っている所まで歩んでくる姿を思い出した。 間違ってはいけないとプレッシャーのかかる、一歩一歩の歩みを心に刻みながら、 誕生から今までの成長を見守ってきた人の顔、 これからの二人の歩みを神様に託そうとする人の顔だったと今判った気がした。 自分の娘の結婚式で、娘の事を思いながら、バージンロードの一歩一歩を心に刻みながら、 今回は参列者の義父が嬉しそうに拍手している顔を見つけて、 突然感謝の思いがこみ上げてきた。結婚が新郎と新婦の愛を支える事を、 言葉ではなくて、自分たちの結婚生活で伝えられればと、心から願いながら。

(2010年08月15日 週報より)


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