今週は信徒執筆です

クリスチャンになったきっかけ

 Gさん(中国人留学生)           

 日本に来て、教会や他のクリスチャンの集会で、よく「中国でもクリスチャンにな ることができるか」という質問をされました。海外の皆さんが意外に感じるかもしれ ませんが、中国には多くのクリスチャンがいます、伝道活動も自由にできます。私自 身がキリスト教キャンプの伝道でクリスチャンになったのです。先日佐瀬先生の「心 の乾き」という説教を聞いたおかげで、再び自分がクリスチャンになった時のことが 頭の中に浮かびました。一年半前、自分もこの部分の話をされて神様に導かれたので す。私にこの話しをしてくださったのは当時参加したキリスト教キャンプで指導先生 を努めた伝道のために北京に来たアメリカ人アトキンスさん夫婦でした。

 この伝道キャンプは中国のクリスチャン数人(教会組織ではない)とあるアメリカの 教会の共催で行われたのです。毎年アメリカの教会から15人ほどがボランティアで伝 道に来ています。私が参加した2006年のキャンプのメンバーは主催の中国のクリス チャンたちの家族や友達、そして友達の友達で、年は12歳から40代までで50人あまり がつどい、いくつかのグループに分けて、一グループ7人ぐらいいました。キャンプ の時間は一週間程度で、午前中はキリスト教の知識を学びやみんなで雑談し、午後は 北京市内観光などをしたりしていました。私はある北京で長い間お世話になっていた 方のご紹介で申し込みをしたのですが、最初はただアメリカ人が教えに来ると聞い て、英語の勉強のいいチャンスだと思って行ったのです。自分の中ではクリスチャン になる意欲が一切なかったのです、それどころか、むしろちょっと抵抗があったとも 言えます。なぜかというと、基本的には宗教に特に関心を持っていなかったですし、 宗教の固い教義に縛れることも怖かったのです。そんな心境で最初の二日間無感情で 参加していました。

 グループの中で私が一番年上で、おそらく一番英語のわかる方だと思いますが、と は言え、彼らのまじめな話は60パーセントしか聞き取れなかったです。他の中学生の 子は大体単語でアトキンス夫妻と交流していました。それでも、彼らはとてもまじめ に聞いてくれましたし、わからないことを何回も何回も繰り返してわかりやすくゆっ くり話すようにしていました。午前中の集まる場所は彼らが泊まっていた大学所属の ホテルの小さな部屋で、彼らを含めて9人もいて、いつも何人かベッドに入って座ら なければいけなかったです。私たちは普通の中国人の身長なんですけど、アトキンス 奥さんは太っていて170センチ以上の身長で、アトキンスさんは190センチ以上の身長 なので、その狭い部屋の風景はとても面白かったです。昼食は部屋でみんなでお弁当 を食べていました。そのお弁当は中国人参加者が払った会費で買いましたので、160 円の普通のお弁当で、全然おいしいと言えないですし、私が知っている外国人は中国 で大体高級レストランに行くことを思うと、このキャンプに来ているアメリカ人がか わいそうだなぁと思いました。午後は市内観光で、万里の長城や市内の公園に行って いました。夕食はアメリカ人の会費で支払うので、ちゃんとしたレストランに行って きました。私たちのグループが他のグループほど英語もできていないですので、ちゃ んとした話もできなかったですし、中学生の子が連絡なしに勝手に来ないことも何回 ありました。一見地味な中産階層の夫婦に見えそうでおそらくアメリカで安定した生 活をしていると思いますが、どうして中国まで来て、面白いこともないのにどうして 旅費を払ってこんなに苦労するかはとても不思議に思いました。

 しかし、そのうちに私がだんだんと心が動かされました。午後のイベントは最初の二 日間はキャンプ参加者全員で行動しましたが、その次の三日間はグループ別で自由行 動となっていましたので、いつもアトキンス夫妻は私たちの遊びや食べに行きたいと ころを聞いてくれました。中学生の子たちはみんな一人っ子で、わがままのところも あって、好き勝手に自分の行きたいところを打ち明けました。結局中学生たち希望の 市内の中心部や遊園地などに行ってきましたが、この自由行動の三日間にアトキンス 夫妻は北京の観光地に一箇所にも行っていなかったです。そしてそのまま北京での6 日間を終えました。短期間でキリスト教に対する理解が深めることが不可能ですが、 彼らの一つ一つ小さな行動に私たちは心動かされました。グループの中の雰囲気も微 妙に変わってきました。

 ところが、四日目から、みんなの心が不思議にひとつになったと感じられました。 私が、一番わがままだと思っていた高校二年の男子。彼は連絡なしに欠席したり、午 前の勉強を怠けて、午後の観光に参加するという勝手な行動振りでした!けれど、そ の後、一回もサボることなかったのです。一度だけ遅刻したことありましたが、わざ わざお母さんを連れてきて事情説明をしてもらうようにしました。彼が朝8時半に勉 強会に出席するために、何と五時に起きなければならなかったのです。彼は自宅があ まりにも遠く、おばあちゃんのところに泊まっていましたが、それでもこんなに時間 がかかります。お母さんは、夫が病気で倒れたため、自分一人で運転手の仕事をして 家庭を支えています。子供に対して十分なことが出来ないと涙を拭きながら私たちに 話してくれました。その日の遅刻原因は、おばあちゃんのところで彼の服がないの で、夕べ洗濯した服が乾くまで待っていたからです。この話を聞いた時、その子の服 は、まだ完全に乾いていなかったのです。お母さん自身がクリスチャンなので、子供 に神様の豊かな恵みを知ってほしいとお母さんは願って、このキャンプに参加させた のです。彼はネットゲームにはまっていて、いつも自分勝手な行動をして、どうしよ うもないとお母さんが言いました。しかし、彼がこのキャンプに参加することによっ て彼の上に大きな変化があったとお母さんは言いました。前はいつもお母さんが真夜 中仕事から帰ってきて彼の服を洗ってあげたのですが、昨日から彼は自分で洗い始め たのです。お母さんは彼がグループ全員に出会って、とてもいい影響が与えられ、皆 に心から感謝すると、涙を拭きながら言われました。これを聞いて、私は事情を何も 知らずに彼のことを心の中で責めていて、冷たい目で彼のことを見ていたこと。もっ と早くも彼のことを聞いてあげたら、彼のことをより理解できたのにと反省しまし た。

 この出来事でグループのほかのメンバーもいろいろと考えさせられたと思います。そ の心動かされた日々の中、奥さんの「You can try to ask God questions, He will answer you (神様に問いかけるなら、答えられるのです)」との言葉を信じてみようと思って、 神様に聞くことを試みました。そして、その日の夜と次の日に答えていただいたので す。彼らが帰国する前に、「God wants you to have a more personal relationship with Him(神様はあなたに、もっと個人的な関係を願っておられます)」と私に言い 残しました。これは私のそれからの信仰生活を支えてくれました。この一週間は本当 に人生が変わる一週間で、感動の連発でした。彼らも私も神様が私たちを出会わせる ことで私たちそれぞれに伝えるメッセージがあったと信じています「私たちは皆、こ の方の満ち溢れる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受ける。」(ヨハネによ る福音書1章16節)。結局、私たちのグループで私のほかにもう一人の中二の男の子 がクリスチャンになることを決めました。このキャンプでクリスチャンになった人は 全員で5人でした。アトキンスさんのフルネームはJason.Atkinsで、奥さんのフル ネームはShannon. Atkins です。そして、最後にわかったのはアトキンスさんはテ ネシー州の田舎の出身で、大学の時バスケット奨学金をもらいながら大学を通うこと ができたのです。現在37歳の若さで、自分の投資会社を持っていますが、相当営業成 績がよい会社ですので、会社の営利の半分が課税され、そして彼らは営利の四分の一 を寄付しています。奥さんはシングルマザーに育てられ、大学院まで勉強していて、 結婚するまで高校の先生を務めていました。8歳の娘さんNicoleと6歳の息子さん Nathanがいる四人家族で、フロリダに住んでいます。自宅はなんと八つのトイレのあ る豪邸です。このクリスチャンアトキンス夫妻との出会ったキリスト教キャンプに参 加したことは私がクリスチャンになったきっかけでした。

(私はあなたがたのことを思 い起こす度に、私の神に感謝し、あなたがた一同のために祈る度に、いつも喜びを もって祈っています。フィリピの信徒への手紙1章3〜4節)。

(2008年01月27日 週報より)


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