今週は信徒執筆です

「時代」

 菅原克広    

 子供の勉強用にと浴室の壁に歴史年表を貼っている。先日もいつものように何気なく 眺めながら湯に浸かっていて、あることに気がついた。それは、歴史の中にいかに戦 が多かったかという事である。

 戦争「いくさ」の種類は、さまざまであるが、何かの目的を達成するために、人は あまりにも多くの命を奪ってきたことになる。人の命を奪わなければいけない理由と はいかなる理由だったのか・・・考えさせられる。私も第三者として、自分に関係の ないようにそれについて問い質そうと考えるが、もし、自分がその時、その立場で あったなら、人を傷つけないでいられたかどうかは解らない。

 日本の歴史年表に戦国時代という時代が表記されている。漫画や歴史小説ドラマな どには格好の良い響きがあるかも知れないが、少々血なまぐさい雰囲気がある。歴史 上の有名な人物も数多くいて、いろいろな形で取りざたされるケースもあるが、彼ら 偉人の一人も自分とその国のために多くの命を奪ってきたことは確かである。今でこ そ人権という存在が理解され、自由の大事さが解り合える時代になってきてはいる が、聖戦?と称してまだまだ戦が続いている事が悲しい。

 自分は、東北の出身であるが、何故か関西や九州方面の友人が多く、結婚して20年 を過ぎた家内も九州の出身である。戦国時代であれば、戦の対象として領土の奪い合 いがあったかもしれないことを考えると、現在の幸せなこの時代に感謝したい。

 子供のころ夢描いていた21世紀も7年目を向かえ、様々な技術進歩による便利な機 器が出まわり、生活が楽になっていているようにも思えるが、多分、人間にとって大 切なときを迎えるのは、これからかもしれない。
僕達の子供たちが迎える未来「時代」には、人を傷つける戦いがあってはいけないと 思う。人を傷つけたり命を奪うような戦いではなく、利権に心奪われない自分との戦 い・助け合い・愛のある話し合いが必要である。

 歴史年表の初めに記載されている「イエスキリストの誕生」「キリスト教がはじま る」の表記こそが私たち、キリスト信徒にとって一番重要な歴史上の出来事であるよ うに、2000年を過ぎて、世界の歴史はこれからも続いていくのです。個人でも声を出 して、一人でも多くの仲間を集めることこそが間違った考えや歴史を変えていく為の 力になると思います。

 私達のこの「時代」もイエスキリストの誕生から始まっています。

(2007年05月13日 週報より)
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